<Header>
<Author: 錢起>
<Title: 贈闕下裴舍人>
<Format: 格式不明>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 闕下の裴舎人に贈る>
<BookPage: 437>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
二月黃鶯飛上林，
春城紫禁曉陰陰。
長樂鐘聲花外盡，
龍池柳色雨中深。
陽和不散窮途恨，
霄漢長懷捧日新。
獻賦十年猶未遇，
羞將白髮對華簪。
<End Poem>
<Translation>
陰暦の二月春のさかりに、ちょうせんうぐいすが漢代の上林苑ともいうべき御苑に飛んで、春の都長安の天子の宮殿は、夜明けの時刻に、うす暗く静まりかえっているであろう。僕の長楽宮にも比すべき王宮の鐘の音は、咲き続く巻の花のはるか彼方にまでとどいて消え、竜池のほとりの柳の新緑は、雨に洗われていよいよ深い色を見せていよう。

こののどかな春の気候も、わたしの仕官できぬ困窮の境遇にある嘆きを解消してはくれないが、それでもなお、わたしは大空に向かって太陽を捧げ持つ朝廷への忠誠心を、いつもかかげ続けている。賦を献じて科挙に応じてから、すでに十年、いまなお不遇であり続けている。そして恥ずかしいことは、白髪の身で、りっぱな高官であるあなたに向かいあわねばならないことだ。
<End Translation>